藤井寺南小学校 いじめ防止基本方針

第1章 いじめ防止に関する本校の考え方
1.基本理念
  いじめは、その子どもの将来にわたって内面を深く傷つけるものであり、子どもの健全な成長に影響を及ぼす、
 まさに人権に関わる重大な問題である。全教職員が、いじめはもちろん、いじめをはやし立てたり、傍観 したり
 する行為も絶対に許さない姿勢で、どんな些細なことでも必ず親身になって相談に応じることが大切で ある。そ
 のことが、いじめ事象の発生・深刻化を防ぎ、いじめを許さない児童の意識を育成することになる。
  そのためには、学校として教育活動の全てにおいて生命や人権を大切にする精神を貫くことや、教職員自身が、
 児童を一人ひとり多様な個性を持つかけがえのない存在として尊重し、児童の人格のすこやかな発達を支援すると
 いう児童観、指導観に立ち指導を徹底することが重要となる。
  本校では、『人権意識を高め、互いに認め合う子どもを育てる』を人権教育目標と
しており、目標に基づき、各学
 年でも目標を設定している。いじめは重大な人権侵害事象であるという認識のもとに、ここに学校いじめ防止基本
 方針を定める。
2.いじめの定義
  「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等  当該児童等と一定の人間関
 係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)
 であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。
  具体的ないじめの態様は、以下のようなものがある。
    冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる。
   
仲間はずれ、集団による無視をされる。
   
軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする。
   
ひどくぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする。
   
金品をたかられる。
   
金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする。
   
嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりする。
   
パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷や嫌なことをされる。 等
 * いじめられた児童の立場に立って、いじめにあたると判断した場合でも、好意から行った行為が意図せず相手
  児童に心身の苦痛を感じさせてしまった場合、行為を行った児童に対し、悪意はなかったことを十分加味した上
  で、学校は対応する必要がある。
 * けんかやふざけ合いであっても、見えない部分で被害が発生している可能性があるという前提で背景にある事
  情を把握するように努め、児童の感じる被害性に着目し、いじめに該当するか否かを判断していく必要がある。
3.いじめ防止のための組織
 (1) 名 称  いじめ対策委員会」
 
(2) 構成員  校長、教頭、首席、生活指導部部長、学年担当、養護教諭、人権・研修部長
        支援教育コーディネーター、通級学級担任
 
(3) 役 割  ア 学校いじめ防止基本方針の策定
        イ いじめの未然防止
        ウ いじめの対応
        エ 教職員の資質向上のための校内研修
        オ 年間計画の企画と実施
        カ 年間計画進捗のチェック
        キ 各取組の有効性の検証
        ク 学校いじめ防止基本方針の見直し
4.年間計画
  基本方針に沿って、以下のとおり実施する。
藤井寺南小学校 いじめ防止年間計画
低 学 年 中 学 年 高 学 年 学 校 全 体
 4月 保護者への相談窓口周知
児童への相談窓口周知

家庭訪問
(家庭での様子の把握)
「ふわふわことば
 ちくちくことば」道徳
保護者への相談窓口周知
児童への相談窓口周知

人権学習(いじめを考える)

「仲間づくり」特活
保護者への相談窓口周知
児童への相談窓口周知

人権学習(いじめをなくすために)

「仲間づくり」特活
第1回いじめ対策委員会(年間計画の確認、問題行動調査結果を共有)
各学年の取り組み確認

「学校いじめ防止基本方針」の保護者への通知
 5月 遠足 遠足

「公共施設のやさしさ」
遠足

「林間学舎」
PTA総会で「学校いじめ防止基本方針」の趣旨説明
第2回いじめ対策委員会
 6月 アンケート「安全で安心な学校を過ごすために」実施 アンケート「安全で安心な学校を過ごすために」実施
「やごとり 2年生との交流」4年
アンケート「安全で安心な学校を過ごすために」実施 第3回いじめ対策委員会
教職員間による公開授業週間(わかる授業づくりの推進)
 7月 保護者懇談週間
(家庭での様子の把握)
保護者懇談週間
(家庭での様子の把握)
保護者懇談週間
(家庭での様子の把握)
第4回いじめ対策委員会
生指人権報告会
 9月    「だれもが関わりあえるように」国語4年 情報モラル授業 6年 第5回いじめ対策委員会
10月 「運動会」協力の場 「運動会」協力の場 「南中・組体操」6年
「運動会」協力の場
第6回いじめ対策委員会
11月 「ともだちのこと しりたいな」国語2年    「修学旅行」6年
第7回いじめ対策委員会
12月 アンケート「安全で安心な学校を過ごすために」実施

保護者懇談週間
(家庭での様子の把握)
アンケート「安全で安心な学校を過ごすために」実施
情報モラル授業
保護者懇談週間
(家庭での様子の把握)
アンケート「安全で安心な学校を過ごすために」実施
情報モラル授業
保護者懇談週間
(家庭での様子の把握)
第8回いじめ対策委員会

生指人権報告会
 1月          第9回いじめ対策委員会
 2月    スマホ対応を中心とした保護者・教員対象情報モラル研修 スマホ対応を中心とした保護者・教員対象情報モラル研修 第10回いじめ対策委員会
 3月  年間を通して、各学年で支援学級と交流を持つ
 年間を通して、道徳・特別活動等で継続的に指導する。(年間計画参照)
第11回いじめ対策委員会
生指人権報告会
校内人権研のまとめ
 《 専科等としての取り組み 》
   家 庭 科‥‥教え合いの場を設定し、協力の機会やコミュニケーションの機会をつくる。
   音 楽 科‥‥グループ単位の活動を取り入れ、互いを意識した授業づくりをする。
         教え合いの場を設定し、協力の機会やコミュニケーションの機会をつくる。
   通級学級‥‥少人数の特徴を生かし、表情や行動を観察する。
         担任との情報の共有と連携・協力を行う。
   養護教諭‥‥表情や行動を観察する。
         担任との情報の共有と連携・協力を行う。
         担任と一緒に聞き取りを行い、事実関係を把握する。
   支援学級‥‥各学年と交流の場を設定する。障害者理解・他者理解を進める授業を各学年で行う。
5.取組状況の把握と検証(PDCA)
  いじめ対策委員会は、年11回、(検討会議を)開催し、取組みが計画どおりに進んでいるか、いじめの対処が
 うまくいかなかったケースの検証、必要に応じた学校基本方針や計画の見直しなどを行う。

第2章 いじめ防止
1.基本的な考え方
  いじめの未然防止にあたっては、教育・学習の場である学校・学級自体が、人権尊重が徹底し、人権尊重の精神
 がみなぎっている環境であることが求められる。そのことを基盤として、人権に関する知的理解及び人権感覚を育
 む学習活動を各教科、(道徳)、特別活動、総合的な学習の時間のそれぞれの特質に応じ、総合的に推進する必要が
 ある。
  特に、児童が、他者の痛みや感情を共感的に受容するための想像力や感受性を身につけ、対等で豊かな人間関係
 を築くための具体的なプログラムを作成する必要がある。そして、その取組みの中で、当事者同士の信頼ある人間
 関係づくりや人権を尊重した集団としての質を高めていくことが必要である。
     【 本校の体制 】 (いじめ対応プログラムⅠ 67頁より参考)
未然防止のための学校体制
大阪府教育センター教育相談室  06-6629-1882(内線250)
2.いじめの防止のための措置
 (1) 平素からいじめについての共通理解を図るため、教職員に対して細やかな情報交換(報告・連絡・相談)を徹
  底する。
   また、教師によっての事案発生のとらえ方の差をなくすために、基準(別紙参照)を定め、どの職員も同じよ
  うに対応できるように共通理解する。
   児童に対しては、指導計画通りに指導をすすめ、いじめをおこさない・見過ごさない意識を育てる。
   万が一いじめが起こった場合は被害児童が安心して登校できる心のケア・環境づくりを最優先する。
   それだけでなく、加害児童には、特別支援・指導として学級から抜き出し、再発防止の指導を行い、児童自身
  と向き合わせる。
   そうすることで、被害者が特別なのではなく、いじめた加害者側がいけないということを当事者だけでなく、
  他の児童に周知し、意識を変える手立てとする。
 (2) いじめに向かわない態度・能力を育成するために、自他の存在を認め合い、尊重し合える態度を養うことや、
  児童が円滑に他者とコミュニケーションを図る能力を育てることが必要である。
   そのために、クラス・学年づくりが重要である。特別活動だけでなく、道徳の時間や休み時間など児童の生活
  の時間を全て使い、日頃から「言える雰囲気」を育てることも必要である。
   特に道徳の時間は、論議を通じて各自の内面にあるものを素直に出し合い、互いの意見を認め合う雰囲気を醸
  成していくことに活かしていくことが重要である。そのためにも、教員一人ひとりの道徳授業における指導力向
 上に取り組む必要がある。
 (3) いじめが生まれる背景を踏まえ、指導上の注意としては、被害児童の保護ケアだけでなく、加害児童の指導、
  クラス・学年児童への指導も不可欠である。
   児童一人一人が活躍できる集団づくりを進めるために、分かりやすい授業づくりを進め、普段の授業の中から
  も、認めあえるクラスづくりを推進する。
   ストレスに適切に対処できる力を育むために、自己表現力の育成にも力を入れる。また、養護教諭や保健の授
  業を活用しながら、セルフコントロールの方法を指導する。
   いじめを助長するような教職員の不適切な認識や言動等、指導の在り方に注意を払うため教師自身が研修に取
  り組み、高い人権意識を養う。また、いじめに対して毅然とした態度で児童だけでなく保護者にも対応すること
  が重要である。
  
 発達障がいを含む、障がいのある児童に関わるいじめについては、教職員が個々の児童の障がいの特性への
   理解を深めるとともに、当該児童についての情報共有を行いつつ、ニーズや特性、専門家の意見を踏まえた適
   切な指導及び支援を行うことが必要である。
  
 帰国児童・外国人児童・外国につながる児童は、言語や文化の差から、学校生活において困難を抱える場合
   も多いことに留意し、それらの差からいじめが行われることのないよう、教職員、児童、保護者等の理解を促
   進するとともに、学校全体で注意深く見守り、必要な支援を行っていく。
  
 性同一性障がいや性的指向・性自認に係る児童に対するいじめを防止するため、当該児童の存在が確認でき
   ていない状況であっても、各クラスに存在しているという前提のもとで、性同一性障がいや性的指向・性自認
   について、教職員への正しい理解の促進や、学校として必要な対応について周知する。
   上記を含め、学校として特に配慮が必要な児童への日常的な支援や組織的指導が必要である。
 (4) 自己有用感や自己肯定感を育む取組みとして、教師が個々の児童を認め、ほめて伸ばす意識をしっかりと持ち
  指導にあたる。また、アンケートを実施し、自分の行動を振り返ることのできる手立てを用意し、次に生かそう
  とする態度を育てる。
 (5) 児童が自らいじめについて学び、取り組む方法として、正しい知識を教師が指導していくことが必要である。
  そのうえで、自分がどうすればいいのかを考えさせる訓練を行う。一番近くでいじめを見ているのは児童自身で
  あるので、児童の意識を変える事がいじめを未然に防止する一番の手立てであると考える。

第3章 早期発見
1.基本的な考え方
  いじめの特性として、いじめにあっている児童がいじめを認めることを恥ずかしいと考え、いじめの拡大を恐れ
 るあまり訴えることができないことが多い。また、自分の思いをうまく伝えたり、訴えたりすることが難しいなど
 の状況にある児童が、いじめにあっている場合は、隠匿性が高くなり、いじめが長期化、深刻化することがある。
  それゆえ、教職員には、何気ない言動の中に心の訴えを感じ取る鋭い感性、隠れているいじめの構図に気づく深
 い洞察力、よりよい集団にしていこうとする熱い行動力が求められている。
2.いじめの早期発見のための措置
 (1) 実態把握の方法として、定期的なアンケートを年2回実施し、定期的にチェックする体制を確保する。また、
  アンケートだけに頼らず、日頃から子どもたちの小さな変化や信号をとらえられる教員であるために、基準の共
  通理解や研修を行う。
   教育相談としては、養護教諭をはじめとし相談窓口を子どもたちに定期的に周知することで担任だけでなく、
  学校全体で子どもたちをサポートする。(例、保健室の一部を相談場所として使用する。)
 (2) 保護者と連携して児童を見守るため、藤南だよりや学年通信により、相談窓口を周知し、いち早く情報が保護
  者と共有できるよう努める。保護者からの情報提供だけでなく、教員からも積極的に保護者に情報提供を行うこ
  とでコミュニケーションを図る。
   いじめ対策委員会だけでなく、学校
アンケートにより、適切に機能しているかなど、定期的に体制を点検する。
 (3) 児童、その保護者、教職員が、抵抗なくいじめに関して相談できる体制として、担任だけが話を聞くのではな
  く、必ず複数で対応する。聞き洩らしを防ぎ、教員による対応の差を
なくし、安心して相談できるように努める。
   また、最大限被害児童のケアを優先する。
 (4) 教育相談等で得た児童生徒の個人情報については、その対外的な取扱いについて、慎重に対応し、児童のケア
  にあたる。

第4章 いじめに対する考え方
1.基本的な考え方
  いじめにあった児童のケアが最も重要であるのは当然であるが、いじめ行為に及んだ児童の原因・背景を把握し
 指導に当たることが、再発防止に大切なことである。近年の事象を見るとき、いじめた児童自身が深刻な課題を有
 している場合が多く、相手の痛みを感じたり、行為の悪質さを自覚
したりすることが困難な状況にある場合がある。
 よって、いじめた当事者が自分の行為の重大さを認識し、心から悔い、相手に謝罪する気持ちに至るような継続的
 な指導が必要である。そのために本校では加害児童の抽出指導を行う。いじめの当事者は、仲間からの励ましや教
 職員や保護者等の支援、そして何より相手の自己変革する姿に、人間的信頼回復のきっかけをつかむことができる
 と考える。
  そのような、事象に関係した児童同士が、豊かな人間関係の再構築をする営みを通じて、事象の教訓化を行い教
 育課題へと高めることが大切である。
  具体的な児童や保護者への対応については、(別添)「6つのレベルに応じた問題行動への対応チャート」を参
 考にして、外部機関とも連携する。
2.いじめ発見・通報を受けたときの対応
 (1) いじめの疑いがある場合、ささいな兆候であっても、いじめの疑いがある行為には、早い段階から的確に関わ
  る。
   遊びや悪ふざけなど、いじめと疑われる行為を発見した場合、その場でその行為を止め、児童や保護者
から「い
  じめではないか」との相談や訴えがあった場合には、真摯に傾聴する。
   その際、いじめられた児童やいじめを知らせてきた児童の安全を確保するよう配慮する。
 (2) 教職員は一人で抱え込まず、報告が義務であることを十分認識した上で速やかに学年主任や窓口担当に報告し、
  必ずいじめの防止等の対策のための組織(いじめ対策委員会)と情報を共有する。その後は、校長のリーダーシッ
  プのもと、当該組織が中心となって、速やかに関係児童から事情を聴き取るなどして、いじめの事実の有無の確
  認を行う。
 (3) 事実確認の結果、いじめが認知された場合、管理職が教育委員会に報告し、相談する。
 (4) 被害・加害の保護者への連絡については、直接会って、より丁寧に行う。
 (5) いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものと認められるときは、いじめられている児童を徹底して守り通
  すという観点から、所轄警察署と相談し、対応方針を検討する。
   なお、児童の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは、直ちに所轄警察署に通報し、適
  切に援助を求める。
3.いじめられた児童又はその保護者への支援
  いじめた児童の別室指導や出席停止などにより、いじめられた児童が落ち着いて教育を受けられる環境を確保し
、いじめられた児童に寄り添い支える体制をつくる。その際、いじめられた児童に
とって信頼できる人(親しい友人や
 教職員、家族、地域の人等)と連携し、いじめ対策委員会が中心と
なって対応する。状況に応じて、スクールカウン
 セラーの協力を得て対応を行う。
4.いじめた児童への指導又はその保護者への助言
 (1) 速やかにいじめを止めさせた上で、いじめたとされる児童からも事実関係の聴取を行う。いじめに関わったと
  される児童からの聴取にあたっては、個別に行うなどの配慮をする。
 (2) 事実関係を聴取した後は、迅速にいじめた児童の保護者と連携し、協力を求めるとともに、継続的な助言を行
  う。
 (3) いじめた児童への指導に当たっては、いじめは人格を傷つけ、生命、身体又は財産を脅かす行為であることを
  理解させ、自らの行為の責任を自覚させる。なお、いじめた児童が抱える問題
など、いじめの背景にも目を向け、
  当該児童の安心・安全、健全な人格の発達に配慮する。
   その指導にあたり、学校は、複数の教職員が連携し、必要に応じてスクールカウンセラーの協力を得て、組織
  的に、いじめをやめさせ、その再発を防止する措置をとる。
5.いじめが起きた集団への働きかけ
 (1) いじめを見ていたり、同調していたりした児童に対しても、自分の問題として捉えさせる。
   そのため、まず、いじめに関わった児童に対しては、正確に事実を確認するとともに、いじめを受けた者の立
  場になって、そのつらさや悔しさについて考えさせ、相手の心の悩みへの共感性を育てることを通じて、行動の
  変容につなげる。
   また、同調していたりはやし立てたりしていた「観衆」、見て見ぬふりをしていた「傍観者」として行動して
  いた児童に対しても、そうした行為がいじめを受けている児童にとっては、いじめによる苦痛だけでなく、孤独
  感・孤立感を強める存在であることを理解させるようにする。
   「観衆」や「傍観者」の児童は、いつ自分が被害を受けるかもしれないという不安を持っていることが考えら
  れることから、すべての教職員が「いじめは絶対に許さない」「いじめを見聞きしたら、必ず先生に知らせるこ
  とがいじめをなくすことにつながる」ということを児童に徹底して伝える。
 (2) いじめが認知された際、被害・加害の児童たちだけの問題とせず、学校の課題として解決を図る。全ての児童
  が、互いを尊重し、認め合う集団づくりを進めるため、担任が中心となって児童一人ひとりの大切さを自覚して
  学級経営するとともに、すべての教職員が支援し、児童が他者と関わる中で、自らのよさを発揮しながら学校生
  活を安心してすごせるよう努める。
   そのため、認知されたいじめ事象について地域や家庭等の背景を理解し、学校における人権教育の課題とつな
  げることにより教訓化するとともに、いじめに関わった児童の指導を通して、その背景や課題を分析し、これま
  での児童への対応のあり方を見直す。その上で、人権尊重の観点に立ち、授業や学級活動を活用し、児童のエン
  パワメントを図る。その際、スクールカウンセラーとも連携する。
   運動会や学校行事、校外学習等は児童が、人間関係づくりを学ぶ絶好の機会ととらえ、児童が、意見が異なる
  他者とも良好な人間関係を作っていくことができるよう適切に支援する。
6.いじのめ解消
  いじめは、単に謝罪をもって安易に解消とすることはできない。いじめが「解消している状態」と捉えるには、
 少なくとも次の2点が満たされている必要がある。
  
いじめに係る行為が少なくとも3ヶ月間止んでいること
  
被害者が心身の苦痛を感じていないこと
7.ネット上のいじめへの対応
 (1) ネット上の不適切な書き込み等があった場合、まず学校として、問題の箇所を確認し、その箇所を印刷・保存
  するとともに、いじめ対策委員会において対応を協議し、関係児童からの聞き取り等の調査、児童が被害にあっ
  た場合のケア等必要な措置を保護者とともに講ずる。
 (2) 書き込みへの対応については、削除要請等、被害にあった児童の意向を尊重するとともに、当該児童・保護者
  の精神的ケアに努める。また、書き込みの削除や書き込んだ者への対応については、必要に応じて、大阪法務局
  人権擁護部や所轄警察署等、外部機関と連携して対応する。
 (3) また、情報モラル教育を進めるため、「総合的な学習」において、「情報の受け手」として必要な基本的技能
  の学習や「情報の発信者」として必要な知識・能力を学習する機会を設ける。
 (4) 保護者への啓発として、パソコンの閲覧制限の方法やパソコン・ゲーム機からのインターネット履歴の確認方
  法などを知らせ、家庭での指導を促す手立てを設ける。
   その手立てとして、保護者を対象とした情報モラル研修の場を設定する。

第5章 重大事態
1.重大事態の意味
  重大事態とは、「いじめにより当該学校に在籍する児童の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがある
 と認める事態」及び「いじめにより当該学校に在籍する児童が相当の期間(目安は30日間)学校を欠席すること
 を余儀なくされている疑いがあると認める事態」であると捉える。
  例としては、次のような場合が考えられる。
    児童が自殺を企図した場合
    児童が身体に重大な傷害を被った場合
    児童が金品(家庭の金品を含む)等に重大な被害を被った場合
    児童が精神性の疾患を発症した場合
2.学校の姿勢
  児童や保護者から、いじめにより重大な被害が生じたという申し立てがあったときは、その時点で学校が「いじ
 めの結果ではない」あるいは「重大事態とはいえない」と考えたとしても、重大事態が発生した可能性があること
 を前提として調査・報告等に当たる。児童や保護者からの申し立ては、学校が把握していない極めて重要な情報で
 ある可能性があることから、調査をしないまま、いじめの重大事態ではないと断言できないことに留意する。

第6章 その他
1.教職員の共通理解として
  気になる児童や事案については、教職員で協力し対応にあたる。そのために職員朝礼等で全職員に報告し、共
  通理解を図る。また、気になる行動の報告を生活指導部を中心に行う。
  ケース会議については、担任から報告があった児童・事案に対して行うこととする。まずは、状況を把握する
  ための会議とし、継続してケース会議が必要かどうかは、そこで判断する。
  ケース会議の概要も全職員で共有する。
  気になる児童・事案については、個人で判断せずに、判断基準(別紙参照)に則り、報告・連絡・相談を随時
  行う。          
〈 参照 〉 大阪府教育委員会 学校いじめ防止基本方針策定説明会資料
                     藤井寺市教育委員会 学校いじめ防止基本方針策定資料

6つのレベルに応じた 問題行動への対応チャート

ねらい
 児童生徒の問題行動の発生時に学校として必要な対応について、レベル0~5の6段階に分けて例示した。
 レベルごとに分けて対処する意義は以下の4点であり、それは、加害者・被害者の保護、および教員の保護に
 もつながるものである。
  
加害者の加害行為を早期に指摘し、本人の自覚を促し保護者の協力を要請する。
  
問題行動等による被害者の被害の拡大を未然に防ぐ。
  
教員が適切な指導が行えない状態を避ける。
  
レベルにより対応の主体を学校から教育委員会、外部機関へ移行し、責任の所在を明確にしつつ問題行動
    の改善を図る。
 問題行動の重篤度に応じた学校の対応について、あらかじめ児童生徒・保護者等にチャートやレベルの例を
 示し理解・協力を求めることが重要である。
問題行動への対応チャート
      外部関係諸機関 ‥‥ 警察・少年サポートセンター・子ども家庭センター・子どもサポートセンター・福祉 》
校内委員会の開催 《レベルを協議し、対応の検討と役割分担を行う。》
メンバー:管理職・生徒指導担当・学年主任・担任・学年教員・養護教諭・支援コーデイネーター
必要に応じ、校長の判断で
スクールソーシャルワーカー・スクールカウンセラーを加えることが可。
役割分担(児童からの聴取・聴取後の対応、保護者対応等)
  
状況の把握‥‥事実を時系列で整理【記録】
  
対応方針の確認
再発防止に向けて
継続的な観察・指導
保護者との連携
関係機関との連携
留意事項
対応は、教育委員会への報告・相談を大切にし、レベルⅠ・Ⅱでも警察と必要に応じて連携を図ることが考えられる。
レベルⅠ~Ⅲは学校主体の対応だが、校長が問題行動をどのレベルの行為として扱うかの判断に迷う場合、教育委員会
 に相談する。
いかなるレベルであっても同様の問題行動を繰り返す場合、ひとつ上のの重いレベルとして対応する。
児童生徒間暴力・対教師暴力等は、上記チャートに従いレベルⅢ以上に位置付け、警察等と連携し、毅然とした姿勢で
 対応する。
被害者・保護者の意向(警察への相談・通報・被害届の提出等)をよく聞き、適切に対応する。


《 参 照 資 料 》
 いじめの内容が明らかな犯罪行為と認められた場合の対応について、大阪府教育委員会「いじめ対応マニュアル」
では以下のように示しています。
…………………………………………………………………………………………………………………………………………
 いじめの内容が明らかな犯罪行為と認められた場合学校は、事実を確認した上で、いじめの行為の中に、暴行、恐喝など犯罪が認められた際には、学校だけで抱え込むことなく、警察に相談します。被害の子どもや保護者が被害届を提出した際には、学校は、全教職員による見守り体制を整え、被害の子どもの心身の安心と安全を確保します。また、子どもの生命や身体の安全が脅かされているような場合には、学校は直ちに警察に通報して対応します。警察との連携にあたっては、学校の対応状況や関係者から聞き取った内容を整理しておくことが大切です。
いじめが抵触する可能性がある刑罰法規の例について
暴 行
(刑法第208条)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下
の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
《事例》プロレスと称して同級生に殴る、蹴るの暴力をふるった。
恐 喝
(刑法第249条)
人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同
様とする。
《事例》因縁をつけた上で、現金等を巻き上げた。
傷 害
(刑法第204条)
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
《事例》顔面を殴打し鼻骨骨折等のケガを負わせた。
強 要
(刑法第223条)
生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用
いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処
する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義
務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
3 前2項の罪の未遂は、罰する。
《事例》コンビニで万引きさせた。家の現金を持ち出させた。
窃 盗
(刑法第235条)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
《事例》カバン等の所持品を盗んだ。
器物損壊等
(刑法第261条)
前3条に規定するもの(公用文書等毀棄、私用文書等毀棄、建造物等損壊及び同致死傷)のほ
か、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は
30万円以下の罰金若しくは
科料に処する。
《事例》携帯電話を故意に破損させた。教科書やノートを破いた。
強制わいせつ
(刑法第176条)
13歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10
以下の懲役に処する。
13歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
《事例》無理矢理に服を脱がせて裸にした。


事案や児童の状況に鑑み、以下の対応例を組み合わせ多様な指導を行います。
加害児童への説諭 担任・学年教員・養護教諭等による説諭
生活指導担当・管理職による説諭
学級会での話し合い 学級全体の問題としてとらえ、各自が自分の行動を振り返るとともに、学級の連帯感や
 人間関係が確立できるような実践目標、具体的な行動・取組等を話し合う。また、話し
 合いを通じて、いじめにつながるような学級の諸問題の解決を図る。
いじめをテーマとして取り上げ、未然防止や解決の手立て等について話し合う。
加害・被害の児童による話し合い 状況に応じて必要だと判断される場合、教職員がサポートし、当事者による解決に向け
 た話し合いを行う。
教職員、管理職による講話 学級会・学年集会・全校集会等での講話
ゲストティーチャ―による講話 保護者、地域の方、外部人材等による学級・学年・学校全体への講話。
清掃活動、ボランティア活動、体験活動への参加 加害の児童が自主的に取り組むことができるような活動への参加。
達成感や人間関係の深化が得られるような行事・活動を企画し(活動と連携し)、学級・
 学年や学校全体で取り組む。
児童会の活動 学校全体の問題としていじめの未然防止や解決に取り組むことができるよう、児童会活
 動として取り組む(○○宣言、△△アピールなど)。
読書・映画等の教材活用、感想文 加害児童が自身を振り返り、言動を改めるきっかけとなるような本や映画を加害児童に
 紹介し、感想をまとめたり話し合ったりする。
家庭での話し合い 保護者の協力を得て、加害児童が家族で話し合い、自身の行動の反省と決意を整理する。
作文、反省文、プレゼン等による加害児童の意思表明 家庭で話し合った結果を文章にまとめるなどし、今後の決意を表明する。
保護者への説諭 加害児童に対する学校の指導方針を示し、家庭と連携した指導を行うための助言・説諭
 を行って保護者の協力を求める。
「非行防止教室」の活用・連携した取組 いじめの未然防止や早期解決に向けた内容を盛り込んだ「非行防止教室」の開催。
少年サポートセンターとの連携 少年相談、立ち直り支援活動等の活用。
警察、福祉機関への相談・通報 相談・通報をもとに、外部機関・施設等と連携した対応を進める。
スクールカウンセラーとの連携 小学校に派遣しているスクールカウンセラーと連携し、カウンセリングを通して児童お
 よび保護者への対応を行う。
市町村問題解決チームの支援要請 事案に応じて専門家の助言・支援を要請する。
レベルⅢ~Ⅴで市町村問題解決チームだけで対応が困難な場合、
速やかに大阪府教育委員会に緊急支援チームの派遣要請。

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