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通明小学校の研究

  1. 研究主題
    英語活動を通じて、言語や文化に関心を持ち、豊かなコミュニケーション能力を身につけた子どもの育成
    〜小規模校のよさを生かして〜
    めざす子ども像
    • 相手を思いやりながら、積極的にコミュニケーションを図ろうとする子
    • 異なる文化や習慣を理解し、それらを受容できる子
  2. 主題設定の理由
    グローバル化が進み国際社会の中、21世紀を担っていく子どもたちが主体的に生きていくためには、英語コミュニケーション能力を高めていくことが重要である。 また、広い視野に立ち、異文化を尊重するとともに、自国の文化を理解し、相手の立場を考えて共に生きていこうとする資質を身につけていかなければならない。 英語の習得は異文化を理解するためには必要不可欠なものであるが、子どもたちに定着させるにはいかに意欲をかき立てるかということがポイントとなってくる。
    1昨年までの2年間は上記の主題、そして「意欲的に取り組む英語活動を通じて」という副題のもと研究に取り組んできた。 最初の1年間は模索と計画の年で、カナダ学の体制を整えることに時間を費やし、2年目はその実践と改善を行った。 その中で、児童が楽しく、意欲的に学習に取り組めたことは一定の成果であるといえるが、課題も明らかとなった。 カナダ学の目標である「コミュニケーション能力の育成」という部分で、小規模校での短所である「少人数であるがゆえの社会性の欠如」が大きくのしかかってきたのである。 今年度は上記の研究の2年目となるが、小規模校の特徴を生かし、どのようにして短所を克服するかということをテーマにし、さらに研究を深めていきたい。
  3. 研究の仮説
    • 仮説1
      リスニングタイムを設けることにより、英語に親近感を持ったり、他国の文化に関心を持つことができる。
    • 仮説2
      アクティビティーを工夫することにより、楽しみながら基本的な英語を身につけ、積極的にコミュニケーションを図ろうとすることができる。
    • 仮説3
      小規模校の特徴を生かすことにより、意欲的に学習に取り組むことができる。
  4. 研究内容
    1. 仮説1にかかわって
      1. 聞く
        英語は日本語とは異なった言語であり、児童が英語でコミュニケーションを図るには負担が大きい。 コミュニケーションは主に「話すこと」、「聞くこと」、「表現」から成り立っているが、まずは、ネイティブな英語を聞く機会を多く持ち、英語に親近感を持つことが重要だと考える。 その機会の一つとして毎回の授業でリスニングタイムを設け、ALT(JTE)を活用しながら、英語の発声(音、リズムアクセント、抑揚)に慣れ親しんでいく。
      2. 文化に関心を持つ
        異文化を知る手段の一つとして、リスニングタイムでカナダの文化に関する内容を取りあげる。 児童の興味・関心を引く内容を厳選したり、構成を工夫することにより、児童が話の雰囲気を感じ取ったり、理解を深めたりすることができるようになると考える。
      3. 授業の目的を持つ
        授業の中で児童が目的をもって取り組むことは大変重要である。 目的の伝達手段の一つとしてリスニングタイムを活用し、劇や絵本など工夫を凝らすことにより、児童の活動の意欲が高まるのではないかと考える。
      4. 内容の工夫
        リスニングタイムの内容については身近なものや生活に結びついたものなど、児童が興味・関心が持てる内容を選ぶ。
    2. 仮説2にかかわって
      1. 意欲的にアクティビティーに取り組ませる手だて
        1. どの場面でどのような英語を使うかを明確にし、見通しをもって英語習得に有効アクティビティーを実施する。
        2. 発達段階においては、知的好奇心をくすぐる内容を厳選する。
        3. 教材、教具を厳選し、制作、準備にあたっては工夫を凝らす。
        4. 教師の役割分担を明確にすることで、効果的に授業を進めていく。
    3. 仮説3にかかわって
      1. 小規模校(本校における)長所・短所の考察を行い、学習計画や授業の中で役立てる。
    4. その他
      1. 全校児童で行うカナダ学
        各学級でアクティビティーを行っても、少人数であるためにコミュニケーション活動やゲームを行う時に、幅が広がらず、盛り上がりに欠ける場面が見られた。 教師もサポートにまわり、ともに活動を行うことも試みたが、それでも限界があった。 小規模校の弱点とも言うべきところだが、内容によって全校での活動を取り入れることにより、克服しようと考える。 実施に当たっては年間指導計画を作成し、内容を厳選して行う。
        • 各学年で学習内容に段階を持たせる。(意欲を持たせる。)
        • 多人数の集団で活動することの喜びを味わわせる。
        • 教材、教具を厳選し、準備にあたっては工夫を凝らす。
        • 教師の役割分担を明確にし、効果的に授業を進める。
        • 同じ目的を持って学習することにより、楽しさを共有できる。
        • 各学年ごとに評価基準を設定し、児童の見取りを行う。
        • 異学年の関わりを深め、その長所を生かす。
      2. カナダタイム
        • 毎週火・水・金の朝学習の時間(10分間)を利用し、全校児童で活動を行う。
        • 主な内容
          英会話体操、復習(既習事項によるアクティビティー)、カナダ訪問団交流、ハロウィン、クリスマスなどの準備
      3. カナダ訪問団との交流
        • 異集団との交流の機会として実施し、異文化にふれたり、英語コミュニケーションの実践の場として実施する。
      4. 環境整備
        • 学校や教室環境を整備することにより、英語に親しむ環境作りに取り組む。
          (掲示、朝、清掃、下校・カナダタイムの学校放送など)
      5. 日常での英語の実践
        • あいさつ、朝の会(日付、曜日、天気、時間割)など日常の生活に関わったものから始める。(中・高学年)
      6. HRTの研修
        • HRTの研修の機会をもうけ、資質の向上を図る。(クラスルームイングリッシュ、発音等)
        • 使用頻度の高いクラスルームイングリッシュの整理、定着
      7. HRT主導の授業
        • 児童が意欲的に活動できるように、TTの役割を明確にし、連携を図る。
  5. 研究の経過
    一学期の研究授業では、カナダ訪問団来校に向けて「全校カナダ(全校体制)」での授業を行った。 小規模校の特長を生かす目的ではじまった全校カナダだが、昨年度の反省で学習内容の工夫・評価方法の課題があげられていた。 前者においては各学年ごとに既習事項を整理して知的好奇心をくすぐる学習内容を設定し、後者においては各学年ごとに評価基準を作成して各学年ごとに評価を実施した。 このことにより、一定の成果をあげることができたといえる。 また、事後研ではTTでの役割分担がきちんとなされていたこと、導入の過程を工夫することにより、しっかりと児童に目的意識を持たせることができたという成果があった。 課題としては、OUT PUTをしっかしと行うことで本時の学習内容を深め、定着させることができたのではないか。 さらにHRTの英語の資質向上を図るということがあげられた。
    全校カナダの指導案部分ではほぼ形ができつつあるが、一学期の研究授業での反省をしっかりとふまえた上で、これらの課題をどう克服するか研究を重ねて次回の研究授業に臨んでいきたいと考える。
小規模校の長所
  • 一人一人の児童を大切にした授業が行える。
  • 個々の特徴が把握できる。
  • 互いの特徴が把握できる。
  • 個々の役割が大きい。
  • 少人数であるため、独自の取り組みができる。
  • 発達段階における縦のつながりが強い。
  • 効果的に教材・機材を使える。
小規模校の短所
  • 異集団の中で自己表現ができない。
  • 小集団から生まれた序列化がある。
  • 新しい人間関係を築くためのコミュニケーション能力が低い。
  • 同世代との集団活動ができない。
  • 身近な人に対して、甘えが生じる。
  • 異集団と関わる機会が少ない。
HRT・JTE・ALTの役割
HRT
  • 授業の中で活動全体の流れを作る。
  • 活動の内容のアイディアをJTEに提供する。
  • 学級の雰囲気作りを行う。
  • 児童の支援を行う。
JTE
  • 活動案を作成する。
  • 教材・教具の作成を行う。
  • 英語学習の雰囲気を作る。
  • 児童の支援を行う。
  • ALTの代役となる。(ネイティブな発音、リスニングタイム等)
  • 打ち合わせ、反省等の調整を行う。(3学級9
ALT
  • ネイティブな発音
  • リスニングタイム
  • 外国の雰囲気を作る。
  • カナダの文化や生活の情報を提供する。
  • 外国の雰囲気を作る