浜益小ICT環境整備の背景と経過

 

クラウドコンピューティングとデータセンター

 スマートフォンなど新しい情報端末の急激な普及とに伴って「クラウド」という言葉をひんぱんに目にしたり耳にしたりするようになってきました。
  ユーザーがハード・ソフト・データなどすべてを用意していたこれまでのコンピュータにかわって、ユーザーは接続環境だけを用意しネットワーク(雲)の向こうから有料または無料ののサービスを受ける形態です。ネットワークの向こう側にあるのが巨大なサービス事業者やデータセンターであり、今後拡大しつつ集約されると予想されています。
 
  実は、本校の教育環境ICT整備事業は、クラウドコンピューティングの急速な普及と関係があるのです。2010年10月7日に、石狩市校長会第2回研修会で、田岡市長さんが講師として説明された「グリーンエナジーデータセンター最適地・石狩 ~石狩モデルから始まるイノベーション」の内容を要約して、ご説明します。(校長:石黒)

グリーンエナジーデータセンター最適地・石狩

 クラウドコンピューティングが本格化すると、データセンターの規模が巨大化するため、いかにエネルギーを消費しないかが、環境への配慮から重要となります。

 データセンターの電力消費には次の二つがあります。
A CPU、メモリ、HDDおよび電源、ファンなど、IT機器そのものが消費する電力
B 空調およびUPSが消費する電力
   この割合を「PUE」(Power Usage Effectiveness)といい、次のように計算します。 PUE=A+B(データセンター全体の総電力消費)/A(IT機器の総電力消費)
  AとBが仮に50%ずつであれば、PUEは2.0となり、現実にはあり得ませんがBがゼロになれば、PUEは1.0という理想値になります。Bの空調およびUPSが消費する電力を減らし、PUEを1.0に近づけることが、経済効率と環境保護にとって重要となります。

 北海道は、低温外気と氷雪を活用した電力の超低消費型データセンターの誘致を目指しています。そうした中で、次の理由で石狩湾新港地域が「データセンター立地に最も適している」と評価されています。

1.電力供給の安定性
2.複数の電気通信事業者による通信ルートの確保
3.データセンターが立地できる広大で安価な用地
4.災害リスクの低減(自然災害は100年間以上未発生)
5.積雪寒冷地であり雪の確保が容易
6.首都圏・札幌市内からのアクセスが容易
7.札幌圏のICT関連企業の集積の活用
8.風力・太陽光発電等自然エネルギーの活用

 石狩市ではこのような条件を生かして企業誘致を推進してきました。その成果として、大阪に本社を置く「さくらインターネット株式会社」が石狩湾新港地域に国内最大規模となるデータセンターの建設を決定し、平成23年秋の完成をめざして現在工事が進んでいるところです。

http://www.city.ishikari.hokkaido.jp/business/kouwank05023.html#CONTENT1 

石狩モデルから始まるイノベーションと 教育分野のICT環境整備

 こうした取り組みの一つとして、北海道GEDC(グリーンエナジーデータセンター)フォーラムが2010年7月16日に東京で開催されました。このときの田岡市長のプレゼンテーションが「グリーンエナジーデータセンター最適地・石狩 ~石狩モデルから始まるイノベーション~」でした。
  市長によると、このときに集まった方々から教育分野のICT活用事業について情報を提供していただき、石狩市としての教育分野のICT機器活用についての構想がスタートしたそうです。「ICT教育」とは、コンピュータや高速回線等の情報技術を用いたコミュニケーション環境を活用する教育を意味しています。

 その流れの第1の成果が、紅南小学校のフューチャースクール実証校認定(7月)です。
  これに続いて、総務省から「地域雇用創造ICT絆プロジェクト(教育情報化事業)」の募集があったため、次のような理由から、市が事業主体となり本校を対象校としてこの事業に応募しました。
・僻地・小規模校におけるICT機器の利活用のあり方と教育効果の検証。
・年度内に浜益地区に開通する光回線によって、僻地性を緩和する教育活動の展開。

 ところが、今回の応募が国から認定されないこととなりました。しかし、市・市教委では、僻地・小規模校におけるICT教育のあり方を検証するという目的に重要な意義があると判断し、国からの補助金に相当する部分を減額して、当初の事業規模から若干縮小した内容で市独自の事業として実施することになりました。そして、12月14日の市議会で、このことを含めた補正予算が議決され、浜益小学校のICT教育環境を次のように整備することが正式に決定いたしました。

 本校では、石狩市と石狩市教育委員会のご高配に応えるために、 関係機関のご指導をいただきICT機器を生かした教育活動の充実に務めてまいります。

→次へ